3.11福島原発事故とコロナ禍 ファクトチェックの重要性

摘要

学生時代から性科学に興味を持って発生学の研究をしながら「女性とは何か」という性差を議論した本の翻訳にかかわったりしていた。その後免疫学に移り、一旦は性科学をあきらめかけたが、今の研究所に就職してからしばらくすると、AIDS が大きな社会問題となってきた。エイズウイルスの発見者のL·モンタニエ博士（パリ、パストゥール研究所）との交流もあり、人の免疫機能の研究をしながら、AIDS患者の免疫機能を測定したりするのは自然の成り行きであった。私は性科学と免疫学の背景を基に、AIDS教育にも取り組み、一九九八年からは、エイズ医療体制の研究班で外国人医療に、深くかかわることとなる。一九九六年頃から複数の抗HIV薬を組み合わせ治療する多剤併用療法ができるようになり、それまでは一進一退だった患者のウイルスは一か月もすると検出されなくなり、免疫機能が数か月で大きく上昇するのも観察した。