新型コロナウィルスの感染拡大下における睡眠薬，抗不安薬，抗うつ薬の処方傾向

摘要

2020年初より世界的に広がった新型コロナウィルス感 染症（COVID-19)であるが，2022年2月現在ではォミク ロン株を中心として第6波の感染急拡大が続いている.COVID-19は肺炎を中心とした健康上の問題だけではな く，経済的な問題も無視することができない.実際に感染 拡大抑制のために自粛を余儀なくされ，外出，外食，旅行， 出張などができなくなり，多くの人が職を失うこととなつ た.海外の48の研究データからなるシステマティックレビ ュ一では，パンデミック前（2020年頃）と比較して大ぅ つ病性障害や不安障害の有病率が増加し，特に女性や若年層で高いことが報告されている（C0VIC-19 Mental Disorders Collaborators, 2021).また，COVID-19患者の5 人に1人は，診断後90日以内に精神疾患を発症していたとの報告もある（Taquet, 2021).