ビール工場排水副生メタンガスを用いたSOFC発電実証: 社会実装可能でCO_2削減効果を期待できるシステムを目指す

摘要

気候変動対策として2015年12月12日にCOP21で採択されたパリ協定に基づき、世界各国は中長期的なCO_2排出削減目標を宣言し、実現へ向けた具体的な取り組みとして、省エネの更なる推進、エネルギー供給ポートフォリオの見直し、エネルギー効率の高い新技術の社会実装、再生可能エネルギーの積極活用等を検討し、各国の特性を生かした活動が開始されている。一方、我が国における具体的なCO_2排出削減施策は様々な理由により低調に推移する施策が見受けられたが、水素サプライチェーンの構築へ向けたインフラ整備、更なるエネルギー自給率の向上へ向けた活動や、我が国が得意とする高度な技術を応用した革新的なエネルギー創出など多くの技術が具体化され、今般、菅総理が宣言された2050年に我が国のCO_2排出実質ゼロを目指すために、それら具現化された技術を社会実装可能とするために必要な経済的課題の解決に向けて、官民が一体となり動き始め、すでに多くの会社が精力的な取り組みを開始している。我が国が得意とする高度な発電技術の代表として燃料電池が挙げられる。燃料電池は、これまで様々な方法や規模のシステムが開発され社会実装が進んでいる。今後更に当該技術の社会実装が進むことにより、我が国のエネルギーを取り巻く課題が解決され、その結果CO_2排出量の削減も進むものと期待される。