今日、車載用途等を見据えたリチウムイオン二次電池開発には、高容量化、高電圧化、難燃化や高耐久性の付与、全固体化など様々な研究課題が掲げられており、各種課題が山積している。なかでも今日最も重要性を増しているものとして急速充放電の実現が挙げられる。現在市場にある典型的なEV車では、完全充電を行うために約1時間の時間を要している。現状、ガソリン自動車がガソリンスタンドに停車して給油するには数分を要するのみであり、現状のEVが要する長い充電時間は消費者の購買意欲と低下させている主たる要因の一つである。このような現状にもかかわらず、多くの国は将来的なガソリン車の生産中止の意向を決定しているが、これを実現可能な技術的な裏付けは存在しておらず、今後関連技術の国際的な価値が極めて高いものになると予測される。同時に、ガソリン車技術での優位性は失われていくであろう状況で、その早急な技術的確立が競争力の鍵となっていくことは論じるまでもない。このような背景のもと、米国のDOE（Department of Energy）もXFC（extreme fast charging）の目標として15分での充電の実現を掲げてきた。
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