目でみるトレーニング問題1065解答

摘要

正解E診断大脳皮質基底核変性症大脳皮質基底核変性症（corticobasal degeneration :CBD）は,失語や失行などの大 脳皮質症状と,無動や筋強剛などのパーキン ソ二ズムを特徴とする神経変性疾患である.好発年齢は50～70歳で,有病率は人 ロ 10万人当たり2人程度と推定されてい る.前頭葉徴候,皮質性感覚障害（二点識別 覚や立体覚の障害），他人の手徴候（alien hand徴候:一側上肢が不随意に無目的な動 きをする），拮抗失行（対側の手の行為を反対 側の手が妨害する）など多彩な神経症状を呈する.初発症状は一側上肢の運動障害が多く，肢節運動失行（運動麻痺がないのに,熟 知している運動ができない），観念運動失行 （自発的な運動は可能だが，口頭指示や模倣 による習慣的な運動や簡単な動作の再現がで きない）などを呈し，症状はしばしば非対称 性を示す.経過とともに歩行障害，眼球運動 障害，嚥下障害が出現し，ジストニアやミオ クローヌスなどの不随意運動を呈する例，腱 反射亢進やBabinski徴候などの錐体路徴候 を呈する例もある.認知機能障害,異常行動， 精神症状が目立つ例もある.