伊豆諸島北部,利島において30~10cal ka BP に降下した流紋岩質テフラを記載し,記載岩石学的特徴や火山ガラスの主成分化学組成にもとづいて,それらを伊豆大島と新島のテフラへと対比した,利島で認められた計5枚の流紋岩質テフラは,下位から,神津島秩父山A テフラ(KzCbA),伊豆利島2テフラ(Iz-Tos2),新島赤崎峰テフラ群(Nj-AkG)のいずれか,大室ダシ1テフラ(Od-1),新島宮塚山テフラ(Nj-Mt)である、このうち新たに見出されたIz-Tos2は,他の伊豆諸島起源の既知テフラとは明際に識別され,伊豆大島の086部層上部に散在する火山ガラスと対比された. 14C年代や他のテフラとの層位関係から, Iz-Tos2 の降下年代は,最終氷期極相期の 30~19 cal ka BP と推定された. Iz-Tos2をもたらした噴火は,当時の海水準で陸域となっていた利島周辺の島棚や海丘頂部で発生した可能性がある.
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