高温·空気中で安定した性能を示す実用的な熱電変換材料を発見: 再現性良く実用レベルの高性能を示す酸化物熱電材料: 再現性良く実用レベルの高性能を示す酸化物熱電材料

摘要

金属や半導体の棒の片側を加熱すると電圧が生じる。この現象はSeebeck効果と呼ばれ、1820年頃にTomas Seebeckによって発見された。温度差1℃あたりに発生する電圧は、Seebeck係数（または熱電能）と呼ばれ、その大きさは一般に数～数100μV/Kである。電気伝導を担うキャリアが電子であるn型材料と、正孔であるp型材料を数多く直列接続することで電圧を高め、素子化したものは熱電変換素子と呼ばれる。世の中には、発電所、工場、自動車などから排出される比較的高温の熱や、料理に使うコンロ、コンピュータ、携帯電話から排出される比較的低温の熱、体温や太陽熱など、様々な廃熱がある。熱電変換は、このように利用されることなく環境に放出される廃熱を、使いやすい電気に変換する技術として注目されている。熱電変換の効率は、用いる材料の熱電変換性能指数と与える温度差で決まる。性能指数は次の式で与えられる。