横浜市役所の環境設備計画(神奈川県横浜市)

摘要

本計画は，豊かな市民力を生かす開かれた市役所であると同時に，災害に対する極めて高い堅牢性をもつた防災拠点，数多くの環境配慮手法を取り入れた低炭素型建築という機能を兼ね備えた市役所への建て替えである。旧市役所は建設から約60年が経過し施設の老朽化が進んでいた。また，人口の増加や社会経済状況の変化に伴う業務量の拡大により，市役所機能が約20の民間ビルや市所有施設に分散しており，市民サービスや業務効率の低下などの課題があつた。そこで橫浜市は，新市役所のミッシヨンと五つの基本理念を定め，本計画はそれを実現した。その結果の一つとして，都市部の超高層ビルでありながら，ZEB Readyを実現した。横浜市は2018年に「SDGs未来都市」および「自治体モデル事業」に選定されている。世界共通の目標であるSDGsの達成に向け，これまでに築いた先進的な成果や多種多様なステークホルダーとの連携を更に発展させることにより，環境，経済，社会の課題同時解決型大都市モデルの創出を目指しており，本計画はそれにも寄与している(写真一1)。