地下水位制御システムを用いた 水田の汎用化,畑地化技術 -その1水田の畑利用と地下かんがい-

摘要

水田農業において、稲、麦、大豆、飼料およ び野菜等の田畑輪換による安定経営を実現する ためには、規模拡大と各作物の高品位安定多収、 農作業時間短縮、低コスト化の追求等を図る必 要がある。そして、これらを実現するためには、 品種改良や栽培技術の確立とともに、水田の整 備によって、大型機械化体系を実現する上で必 要な大区画化や、機械化作業体系で最大のネツ クとなっている草刈り労力の削減等も図る必要 がある。また、水稲栽培時における水管理の省力,適 正化、畑作時の湿害や干ばつ対策等が重要であ る。従来から田畑輪換を進めるためには、湿害 の回避が最重要と考えられ、排水路を深く広く して湛水被害の回避、また、粘質な土壌条件の 場合や周辺からの湧水等で透,排水性が悪い水 田は暗渠排水が施工されてきた。しかし、これ らの整備が図られても、いまだに田畑輪換が定 着していない地区が多々見られる。