日本におけるスマート農業の展開の概要について

摘要

スマート農業は、ICTやロボット技術を活用 した超省力 高収益生産でイメージされること が多い一方で、近年はデータ駆動型農業として の活用が期待されている。「2025年までに農業 の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を 実践」という政策目標の達成には、営農管理シ ステムに記録された農作業データなどの活用が 主流となるとみられ、そのデータをいかに効率 的に取得して作業計画の立案につなげるかが重 要である。また、作物の生育情報を空撮画像な どで入手し、その情報と生育 収量予測モデル を組み合わせて、収穫時期や収量を予測する手 法が今後普及していくことが期待されている。 このように、スマート農機の導入にみられる ハード主体から、ソフト主体に移行していると も表現できる。このことは、2019年から実施 されているスマート農業実証プロジェクトにお いても、2020年には労働力不足の解消に向け たスマート農業実証が取り組まれ、農業大学校 生などの将来の担い手に直接働きかける施策が 実施されたことにも表れている。