水素·燃料電池に関する国の施策 特集にあたって

摘要

昨年からの新型コロナウイルス感染拡大により世界経済が大きな打撃を受ける中、アフターコロナの経済復興策として海外主要国が中長期的なカーボンニュートラル達成等を目標とするダリ一ンリカバリ一政策を相次いで発表しており、その多くにおいて水素関連技術の開発が脱炭素化に向けたエネルギー戦略の一つとして明確に位置づけられています。例えば欧州では2030年までに再生可能エネルギー由来の水素製造量を1千万トンと設定して多額の予算を投入すると謳っており、米国では昨年11月に新しい水素プログラム計画を発表して挑戦的な水素製造コスト目標を掲げて産業全体での水素利活用を推進する計画としています。さらに中国や韓国においても技術開発やインフラ·サプライチェーンの構築に向けた政策が打ち出されるなど、現在は本格的な水素利用社会の実現へ向けたグローバル規模での大転換期を迎えていると言えましょう。