ABCDアプローチで見極める薬の使い方:てんかん重積発作

摘要

ABCDアプローチによる評価:てんかん重積状態では,てんかん放電が二次的に脳損傷を引き起こす。そのため,発作時間が長いほど後遺症をもたらす可能性が高くなり,30分以上持続すると長期的な後遣障害を残す可能性がある.そこで,神経学的予後を改善するには,てんかん重積発作を速やかに頓挫させることが重要である。しかし「ABC」が不安定なもとで,てんかん重積発作を頓挫させようとして抗てんかん薬を投与してしまうと,低血圧,舌根沈下,呼吸停止を引き起こすリスクがある。したがって，介入の前には迅速な「ABCDアプローチ」を用いた初期観察とアセスメントが必要である。これにより状態を安定化させ,てんかん重積状態にある「D」に対して安全で早期に治療介入できるよう準備する。