ぶどう膜炎に対する局所治療

摘要

ぶどう膜炎の治療は感染性ぶどう膜炎の可能性を否定したのち消炎治療を行うのが基本であるが.治療法の選択肢が増えてきた現在でも依然治療の中心は副腎皮質ステロイド薬 投与である.ステロイド薬の投与方法は局所投与と全身投与に分けられる.ステロイド薬投与 時は常に全身の副作用出現に注意が必要であるが.点眼や結膜下注射，テノン嚢下注射等の局 所投与では全身の副作用出現リスクを抑えることができるうえ，眼炎症局所に薬剤を投与する ことが可能なため高い消炎効果が期待できる.前眼部に炎症がみられる場合は点眼や結膜下注 射を，後眼部に炎症がみられる場合は後部テノン囊下注射を行い消炎を図る.各局所投与方法 の特徴と合併症について熟知したうえで，疾患の種類や重症度に合わせて適切に投与方法を選 択し上手く炎症をコントロールしたい.