安価で安定な固体試薬を用いた酸化的フッ素化によるフッ化ァシルの合成

摘要

フッ化ァシル1は，塩化ァシル と比較して安定な化学種であり， 求電子的ァシル化剤の他，金属 力ップリング反応におけるアルキル（R)，ァシル（RCO)，フッ素源 として利用可能なことから，近年 注目を集めている（図1a).1は， 一般にカルボン酸2の脱酸素的 フッ素化によって合成されるが， 三フッ化ジェチルァミノ硫黄(DAST)等の高価で不安定な試薬を必要としていた.一方，アルデヒド3またはアルコール4から1 への直接的変換も可能である CSSO4Fを用いる手法では試薬の用時調製が，タングステン触媒存在下できフルォロベンゼンスルホンイミド（NFSI)を用いる手法では紫外線照射が必要であつた.