後鼻漏による咳嗽:アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻副鼻腔疾患は後鼻漏による咳嗽をきたします.後鼻漏による咳嗽は,下咽頭の知覚神経終末に対する刺激や,後鼻漏の気管への流入に伴う刺激により咳嗽反射経路が働くことで発症しますり.後鼻漏は通常「梟の奥に鼻水が降りてくる感じ」として自覚されます.後鼻漏にょる咳嗽は湿性で夜間に出現することが多く,時に痰を伴う,という特徴があります.実臨床における後鼻漏による咳嗽の診断は,後鼻漏の訴えがあり,アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の存在が示唆される際に抗ヒスタミン薬やマクロライド系抗菌薬などを投与し,その効果をみる治療的診断でなされます(表1), one airway one disease: one airway one diseaseという概念があり ます.これは上気道と下気道をひとつづきの 気道として捉えようというものです.アレルギー性鼻炎に関連する下気道疾患として,喘息,咳喘息,アトピー咳嗽,好酸球性肺疾患 があります.副鼻腔炎でも気管支喘息を合併しやすく,また気管支拡張症やびまん性汎細気管支炎なども合併します.ですから,鼻炎?副鼻腔炎による後鼻漏として治療するも抵抗性の場合は,これらの下気道疾患の存在についての評価も必要となります.
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