伊藤潤一の児童養護施設全国行脚?児童養護施設房総双葉学園

摘要

前回に続き、千葉県稲毛区にある児童養護施設「房総双葉学園本園」を紹介します。施設長の柴田敬道さんにお話をうかがいました。房総双葉学園の住居棟のリビングには大きな吹抜けがある[写真1]。前編では吹抜けの空調や音の問題を話題にしたが、今回は照明についてお話したい。房総双葉学園の吹抜けリビングには設計者デザインのオリジナルのペンダント照明が設置されており、室内空間とも調和してし、る[写真2]。現在はLED照明が主流となり電球などの交換は昔ほど頻繁に必要なくなったが、こうした照明で問題となるのが清掃である。機器の選定やデザインによってはホコリ溜まりができ、アレルギー体質の子どもの身体へも影響がでる。脚立などがないと清掃が頻繁に行えないなど、職員の頭を悩ませるという。子ども部屋に関しても同じで、スタッフの清掃頻度などを考慮した上で、選定や造作デザインをする必要がある[写真3]。たとえばホコリ溜まりなどをつくりづらい球体のペンダント照明や、ダウンライトなどの照明器具の選定を心がける必要があるだろう[写真4]。施設職員の日々の忙しさを考えると、どうしてもこうした点まで清掃が十分に及ばないことを前提として選定することが肝要である。