鉄道における地震時地盤挙動の評価

摘要

構造物の建設地点における地震時地盤変位を適切に算定するためには，建設地点周辺において想定される地震動を適切に推定することが第一に重要である。このとき，建設地点の地震動は地点固有の深い地盤構造の影響を受けるため，「平成24年鉄道構造物等設計標準·同解説耐震設計」(以下，耐震標準)1)では，設計地震動(L2地震動)は地点依存の地震動として基盤位置で算定することを原則としている。算定した基盤位置の地震動に対し，地点固有の表層地盤の非線形挙動の影響を適切に考慮することで，鉄道構造物の設計のための地表面地震動および地盤変位量を算定する。