空孔欠陥を利用した単結晶熱電材料の開発

摘要

脱炭素社会（カーボンニュートラル）を2050年までに達成するために、熱電発電が注目されている。熱電発電では、図1に示すような熱電デバイスが用いられる。熱電デバイスは、電極を介してp型とn型の熱電材料を直列に接合した構造をしており、熱電デバイスの上下に温度差をつけると、p型とn型の熱電材料のホールと電子が高温側から低温側へと拡散して、電気エネルギーが得られる。このように、熱電発電は振動·騒音·有毒ガスを出さないクリーンなエネルギーハーベスティング技術である。熱電発電を用いて大規模排熱（図2）から電気エネルギーを回収することで、脱炭素社会、ひいては省エネルギー化の実現に大きく貢献できる。