HDLRubyを用いたFM音源の回路の実装，評価

摘要

Rubyベースの新しいハードウェア記述言語（HDL）である”HDLRuby”を用いたFM音源回路の実装と検討について述べる。最も一般的なHDLとしてはVHDLとVerilogがあるが，これらは通常のプログラミング言語で言えば抽象度がC言語より少し下回るため，手間がかかる。そこでもっと高度な抽象度でハードウェア設計を行う言語を導入する動きもある。今回の研究では実際にHDLRubyとVerilogを記述し実装後，評価を行うことでHDLRubyの使いやすさや汎用性について検討をする。実装するものはFM音源の回路の実装を行う。FM音源とはFrequency Modulation（周波数変調）を応用する音色合成を用いた音源であり基本波形の発振·変調をおこなう合成器を複数の組み合わせで音色を合成する音源である。評価方法はHDLRubyからVerilogを生成しコードの行数や汎用性について比較を行う。その結果，ソースコードの行数ではHDLRubyが220行でVerilogは1006行となった。ライブラリなどの観点からもHDLRubyを用いて回路を実装する方があまりハードウェア記述言語に触れていない人でも書きやすいのではないかと思われる。