目でみるトレーニング：問題 1002

摘要

症例:38歳の女性.主訴:短期間の繰り返す意識障害. 既往歴:特記すべきことはない.現病歴:受診5カ月前に夜間に痙攣発作を認め,近医受診.頭部MRIを施行したが明らかな異常を認めなかった.受診1カ月前から坐位時にぼんやりと1点を見つめたまま,家族が話しかけてもぼんやりし,意味のない行動が見られるようになった.意識障害は30分ほどで徐々に回復した.1カ月間に数回同じようなエピソードが認められたために紹介受診となった.身体所見:意識は清明.眼瞼結膜に貧血はない.眼球結膜に黄染はない.甲状腺腫はない.肺野清.心音は整で，心雑音は聴取しない.腹部は平坦かつ軟，圧痛はない.下腿浮腫，下肢の感覚異常はない.身長148.5cm,体重46kg.体温37.1℃.脈拍84/分.血圧96/56mmHg.検査所見:尿所見:比重1.005, pH 7.5,尿蛋白（-），尿糖（-），ウロビリノゲン0.1ケトン体（-），ビリルビン（-）,尿潜血（-）.血液所見:赤血球426万/μL，Hb 13.0g/dL, Ht38.7%,白血球5,800/μL,血小板 29.1万/μL.血液生化学所見:空腹時血糖47mg/dL,HbA1c4.4%,総蛋白7.9g/dL,尿素窒素 13.0mg/dL,クレアチニン 0.66mg/dL,尿酸5.3mg/dL,総コレステロール198mg/dL,トリグリセライド45mg/dL,HDLコレステロール79mg/dL,総ビリルビン0.9mg/dL, AST14U/L, ALT11 U/L, LD 141U/L（基準115?250）, ALP 117（基準115? 380）, γ-GTP 19U/L,クレアチンキナーゼ 100U/L, Na137mEq/L, K4.1 mEg/L, Cl100mEq/L.免疫血清学的所見:CRP 0.04mg/dL,インスリン抗体＜125nU/mL.内分泌的所見:インスリン7.5μU/mL（基準1.7?10.4）, ACTH 43.4pg/mL （基準7.2?63.3） ,コルチゾール10.5U/mL （基準4.0?19.3）.腹部ダイナミックCTをに示す.