溶融炭酸塩形燃料電池基礎講座

摘要

地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出量削減につ いて1997年京都開催の「国連気候変動枠組条約締約国会議」（COP3)での議論に基づいた条約からほぼ四半世紀経過しょうとしている。その後、国連気候変動枠組条約締約国会議が定期的に開催され、2015年パリで開催されたCOP21では国際的な温暖化対策を推進するため、世界の平均気温上昇を産業革命前から2℃未満に抑え、目標値として1.5℃とするパリ協定が採択された。翌年2016年に55か国が締結しパリ協定が発効された。わが国も同年に締結し、2020年12月末で75締結国となっている。近年、わが国も含めて世界各地で異常気象による予想外の災害の頻発が見られ、地球温暖化への対策の重要性が強く認識されている。この流れの中で、温暖化効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロとするカーボンニュートラル宣言が2020年には世界の主要国から出され、わが国でも2020 年10月に表明された。温暖化ガスの最大の排出国の中国は2060年のカーボンニュートラルを宣言している。温暖化ガス排出量削減のためには、再生可能エネルギー利用などの非化石燃料発電技術への転換がきわめて重要である。