コロナ禍とエネルギー 民意は単純化していく

摘要

人々は情報の洪水に溺れつつある。行き交う情報は短く断片的で、単純でわかりやすいものが多い。これが民意の基礎となり、やがて組織の方針となり、国の政策になっていく。現在の課題の特徴は複雑さだ。いろいろな要素、要因が絡み合って進行する。因果関係が不明確で、予測することが難しい。相互作用の結果、しばしば思いがけないことが起こる動的プロセスだ。複雑問題の一面だけを捉え、単純な解決策を試みる。わかりやすく正しい解決策に見える。しかし実は、問題の解決にならないばかりか、かえって問題をこじらせてしまう。よくある間違いは、全体をひとつの均一な集団として扱うことだ。そして単一の指標だけを見て結果を攻撃する。現象の深い本質が見えなくなってしまい、非効率的で効果が期待できない。