非悪性血液疾患におけるコロナブースターワクチン接種後のSARS-CoV-2 IgG抗体価の解析

摘要

血液悪性疾患においては新型コロナウィルス（SARS-CoV-2)に対するワクチン効果が減弱しているものの， 3回目即ちブースタ一接種によって抗CD20抗体治療例 など一部を除いては反応増強が得られることが報告され ている。一方で非悪性疾患特に免疫抑制治療の対象と なる再生不良性貧血（Aplastic anemia, AA),赤芽球癆 (Pure red cell aplasia, PRCA)並びに免疫性血小板減少 性紫斑病(Immune thrombocytopenic purpura, ITP)な どにおけるワクチン効果の研究報告は少ない。アメリカ 血液学会によるCOVID-19 RESOURCEにおいては，抗 胸腺グロブリン（ATG)/cyclosporin (CsA)治療開始後 6ケ月以内の場合はワクチンへの免疫反応が減弱するこ とが示されている。またPlatelet Disorder Support Associationにおいては，20 mg/日以上のprednisolone (PSD投与はワクチン効果を阻害すると記されている。 以上を背景として当院通院中の3疾患におけるワクチン効果に関して検討を加えることとした。