私が行っている性別違和（MTF型）に 対する腟形成なしの性別適合手術の 外陰部皮膚切除デザインについて

摘要

性別違和(MTF型)に対する性別適合手術(SRS)のうち,腟形成なしの性別適合手術症例数 が増えている。腟形成なしの場合の皮膚デザインは比較的自由である。そのためか,施行開始直 後は術後の尿道狭窄症例が散見されていた。そのため改善を加えて機能面と整容面を満たす現行 法に至っている。直近100例のデザインを分類し整容性を評価した。会陰部に小皮弁を設けるか 否かで,A「小皮弁あり」とB「小皮弁なし」,余剰陰囊皮膚の切除パターンにより,a「垂直切 除」とb「斜状切除」に分類した。全例に尿道狭窄症例はなく,全般に良好な外観の結果を得た。 ただし,血腫形成,部分壊死,蜂窩織炎などの合併症を30%に経験した。外陰部は非常に血管に 富んでいるため,良い結果を得るためには,血腫形成や部分壊死,蜂窩織炎などをきたさないこ とがデザインと同様に重要であると考えながらこの方法を継続していきたい。