大学における原子力人材育成の変化は

摘要

福島第一原子力発電所では、二〇一九年四月から3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業が行われている。二〇二〇年二月一五日現在、共用プールに移送した燃料は五六六体中四二七体（全新燃料五二体と使用済燃料三七五体）で、順調に進めば本年度内に完了する予定である。二〇一八年入社の本学科卒業生が、この仕事に従事していることを会社のホームページで見て驚いた。彼女は、移送に伴う社内関係グループ間の調整が困難だったことや一基目の輸送完了時の大きな達成感を語っている。一番大切にしていることは「報連相」（報告·連絡·相談）で、ヒューマンエラーを最小限にするためにも、徹底すべき根本だと思うと述べている。福島の復興に向けた成長と活躍を見守っていきたい。福島事故の前後で大学における原子力人材育成はどう変化したかを考える。