嘔気?嘔吐の原因となる鑑別疾患はとても多い(表1).その理由は嘔気?嘔吐症状を呈する臓器が多岐にわたるためであり,障害されている臓器の特定には随伴症状の確認が重要となる.随伴症状の確認には病歴や身体所見が大切で,review of system (ROS)のような病歴を細かく聴取するシステム別の系統的問診が効果的だ.一方で,採血や画像検査で原因臓器を特定できることもあるが,外れることが多いため,銃弾乱れ撃ちのような状態となり,お勧めできない.また,表1の鑑別疾患のなかでも,特に"見逃してはいけない疾患”をまずルールアウトすることが大切だ.代表的な"見逃してはいけない疾患”を表2に挙げる.外来受診患者は一見して軽症そうに見えても,致死的疾患や重症疾患が隠れていることがある.頭痛,発熱,右下腹部痛,胸痛,悪寒?戦慄,多飲?ロ喝?多尿,薬歴などを病歴聴取により短時間で確認するとよい.
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