ぶどう膜炎の原因検索-眼内液からの検査-

摘要

眼内液検査は感染性ぶどう膜炎，硝子体網膜リンパ腫(VRL)の検査法として確立さ れている.いずれもステロイド投与後に陽性率が低下するため，治療前検査が推奨される.初 診時は前房水検査が簡便で，臨床診断に基づいて目的病原体?疾患を明確にし，感染性ぶどう 膜炎では鏡検，培養.PCR等，VRLではサイト力イン検査(IL-10 ? IL-6)を行う，感染性ぶど う膜炎に対する多項目PCR検査キット(Direct Strip PCR~R法）の普及で，簡便に外来迅速検査 が可能になった.硝子体手術による生検は，硝子体混濁等の治療のみならず，診断のための十 分な眼内液を得る目的で行う.VRLでは単独で確実な検査はなく，細胞診，セルブロック，サ イト力イン，遺伝子再構成，フローサイトメトリー，MyD88変異に計画的に検体を配分する. 眼内液検査は1つの検査に過ぎず，重篤な全身病変を見逃すことのないよう.採血や画像等の 全身検査を必ず併用する.