有限要素法を用いた丸棒鋼ガス圧接部の加熱変形解析

摘要

一般的に，接合界面の変形挙動をガス圧接中にその場観察することは極めて困難なため，数値解析などの計算手法を用いた検討が比較的多く実施されている．例えば，大石橋らは，有限要素法を用いてガス圧接部のふくらみの形成からバイトによる押抜きを再現することで，押抜き時に接合界面上に過大な引張応力が生じることを報告している．しかしながら，当該解析モデルを用いて接合条件等が及ぼす接合界面上の変形挙動への影響に対して言及はされていない．また，摩擦圧接法や線形摩擦圧接法において，接合界面の温度分布や変形挙動に着目した解析的検討が実施されているが，これらはいずれも熱源が摩擦熱であることから，ガス炎を熱源とするガス圧接法とは温度分布および変形挙動が大きく異なるものと考えられる．そこで，本研究では，レールガス圧接部における接合界面上の変形挙動を検討可能な手法の構築を目的として，単純形状材である丸棒鋼のガス圧接部に着目し，第一に温度測定試験および熱伝導解析により，ガス炎から丸棒に投入される熱流束を表現可能な数理モデルを構築した．その後，当該加熱炎モデルを用いたガス圧接部の加熱·変形解析モデルを構築し，ガス圧接部の変形挙動を把握した．