アオリイカ養殖はどこまで進んだ?OISTによる技術開発と展望

摘要

れまで頭足類の養殖は困難とされてきたが、現在ではマダコ、コウイカ、ダンゴイカ等、 如種以上もの頭足類で人工飼育下にお ける完全養殖に成功しており、実験動 物としての可能性に期待が持たれてい る。しかし、1980年代頃から良質 なタンパク質を短期間で生産する頭足類が海産資源として注目されて以降、 どの種においても、いまだに商業利用 を目的とした水産養殖には至つていな いのが現状である。特に、頭足類のなかで最も漁獲高が高く商業的需要が高いツツイカ目の養 殖技術の開発は、いまだに難航してい る。これには、ふ化サイズの小ささ、 初期飼料の同定の難しさ、共食い、壁 面に対する認知不足等、さまざまな問 題点が指されてきた。