遊びの都巿学：公共の楽しみに必要とされるべきものの変通について

摘要

遊びは、異なる領域と定義、現実と非現実、空間と時間、そして集合と個人との間を行き来する。1997年にブライアン·サットン·スミスの著した遊びについての最も広範な研究論文もまた、遊びのもつそのような曖昧な性格を冠している。「遊びの曖昧さについて」という題名のこの著作の中で、著者は遊びにたいする定義の困難さを吐露している。が、文中の遊びが引き起こす感覚についての表現はきわめて明快である。著書を特徴づけるのは、以下の引用、ヨハン·ホイジンガが自由について述べた以下の一節であろう。「今も昔も、遊びにおける第一の、中核となる特徴は自由そのものである。第二の特徴はそれに密接に関係づけられており、つまり遊びは「普通」あるいは「現実の」生活ではない。遊びとは、「実際の」生活から飛びだし、かりそめの環境において、その場特有の振る舞いに身を投じることである。」(Huizinga,1949)しかしながら、ロジェ·カイヨワ(1959/2001)は遊びの制限的な側面について「ゲームは同意のもとに敷かれた境界の範疇においてのみ展開され、同様のことが時間についてもいえる。ゲームは他律的な合図によって開始/終了する。」と述べている。こうした状況を都巿的環境に当てはめて考えてみると、遊びのもつこのような曖昧性は居住性の欠落にたいして都巿ごとに異なる強度をもたらすような装置として着想され始める。究極的には、「遊び」とは本来は必要から生じたものをして、新たな快適さを見出させる要素へと変貌させることであり、具体的には意味のない残余をリサイクルしたり、これといって特徵のない都巿的な状況を変化させることできわめて特殊な空間とすることなのである。