救急?集中治療領域の臨床力を鍛える:急変対応のOff-the-job trainingを薬剤師が学ぶ意義

摘要

Off-the-job trainingとは,通常の職場環境から離れたところで行われるトレーニングである。一般的に,労働環境や現在の仕事のためのスキルに関する知識の乏しい者を受講対象にしている。事前に組み立てられた内容が計画的に行われ,専門のインストラクターによって行われるため,知識の伝達がうまくいく。それぞれのOff-the-job trainingが基本コンセプトをもっている点も系統的に知識を学ぶことを助けていると思われ，インストラクター間での教育手法や教える内容にバラツキが少ないのが特徴である。急変対応のOff-the-job trainingは，急変対応そのものを学ぶためのトレーニングだけを指すものではないと，筆者は考えている。なぜなら,薬剤師として急変対応に参加するのであれば,薬学的介入そのもののスキルを向上させたり，薬学的介入を実践するための根拠となる論文を理解したり,根拠を創出するためのOff-the-job trainingもまた,薬剤師が急変対応で診療報酬を認められたうえで活躍するために必要なトレーニングだからである。そこで,本稿では,筆者が所属しているOff-the-job trainingを例にあげ，薬剤師がそれらに参加し学ぶ意義を説明する。