咽頭痛,嚥下時痛,発熱の訴えで,見極めを誤ると命に関わる七つの疾患(killer sore throat BIG 7 :①急性喉頭蓋炎,②深頸部膿瘍(扁桃周囲膿瘍,咽後膿瘍,傍間隙膿瘍)?感染症,③Lemierre症候群,④無顆粒球症,⑤頭頸部がん,⑥ジフテリア,⑦心血管性疾患(急性冠症候群,大動脈解離,大動脈瘤))がある.教科書的な咽頭痛red flag sign BIG 7(①上気道狭窄音(stidor),②tripod position, ③muffled voice, hot potato voice,④唾液も飲めないような痛み,⑤開口障害,⑥咽頭所見が軽度,⑦ヘビースモーカーや糖尿病などの基礎疾患あり)は,重症化している場合にしか現れない.vallecula signおよびthumb sing陰性だけでは,多くの急性喉頭蓋炎を見逃している.「咽頭痛」の訴えで見逃すと命に関わる疾患は七つある(killer sore throat BIG 7 :①急性 喉頭蓋炎,②深頸部膿瘍(扁桃周囲膿瘍,咽後膿瘍,傍間隙膿瘍),感染症,③Lemierre症候群,④無顆粒球症,⑤頭頸部がん,⑥ジフテリア,⑦心血管性疾患(急性冠症候群,大動脈解離,大動脈瘤)).これらの疾患が隠れていないかを常に意識して,診察?診断することが重要となる.喫煙者や上気道炎のある患者では,口腔内所見は発赤していることが多く,安易な決めつけ診断や経過観察とするのは「見逃し」につながる.また,患者のなかには痛みやつらさに我慢強い人や訴えの多い人などさまざまであり,そこを見極め拾うこともスキルの一っとなる.また,実臨床では,教科書的/論文報告だけでは見えないリアルがある.本稿では急性喉頭蓋炎,深頸部膿瘍について解説していく.
展开▼