複数周波数成分が重畳する応力が間欠的に作用する条件下における疲労亀裂伝播挙動

摘要

本研究では，高周波成分を有する応力履歴が，全履歴中の一部で間欠的に重畳した応力履歴下で疲労亀裂伝播試験を実施するとともに．同実験に対応する疲労亀裂伝播解析を行い，間欠的に重畳応力履歴が作用する場合の疲労亀裂伝播履歴推定に関して検討した結果，著者らが提案する手法により．間欠重畳応力履歴下でも疲労亀裂成長履歴を比較的良好に推定可能であることを確認した．今後の課題として，種々の構造物で稼働中に生じる高周波応力の波形や出現区間，低周波成分の平均応力を定量的に考慮した応力履歴条件下における疲労亀裂伝播解析を行い，それらの結果から，通常の疲労設計で用いられる線形累積被害則における高周波成分影響の考慮の必要性の程度について検討することが挙げられる．