地域連携体制の構築:災害医療コーディネーター,DMATなど医療チームの初動対応

摘要

発災直後の初動対応災害が発生した際,まず重要なことは,事態を評価し災害と認識すること,すなわち「スイッチを入れること」である。そして災害発生場所,災害の種類,危険性の現状や拡大の可能性，負傷者数やその重症度,通信?ライフラインなどの被災状況の評価などが重要である。そのためにも，大規模事故?災害への体系的な活動のために必要な項目であるFCSCA （TTT）」に従った体制構築を図る。最初のCはCommand and Control（指揮と連携）を意味し,指揮命令系統の確立を行う。まずは災害対策本部を立て,ここを中心に活動していくことで組織的な活動ができるようになる。SはSafety（安全）で,自分自身?現場?傷病者の安全確認を行うこと,続いてCはCommunication（情報伝達）で，情報ツール?連絡体制の構築，AはAssessment （評価）で，現状を把握し今後の方針を決定することである。災害医療に対応する組織は,医療,保健,福祉，行政,消防,警察,自衛隊などがあげられる。各々の組織が作成した「災害対応マニュアル」には，被害想定に応じた初動対応があらかじめ決められている。