自由と想像彫刻に向かって 4

摘要

1970年，大学紛争が終わり，再び授業再開と同時に，研究科を新設したのでまた来ないかと先生から電話をもらいました。もう2年学校へ行くことになりました。イメージが褪めないうちにかたちにしてしまうには，どうしたらいいだろうと考えていた時に，硬質ウレタンフォームというものに出会いました。それは，ウレタンスポンジの硬質なもので，ざくざくとのこぎりで切ることができ，破片でこすると，これもあっという間に削れてしまうという具合でした。かたちをつくるのには都合がいいと，せっかちなわたしにとってはうってっけな材料だと，次々にっくりました。「じぶんは直感的な人間だから，イメージがさめないうちにつくるほうがインパクトが強くなるような気がする」と先輩と話しをしていたのを，横で聞いていた大先輩の絵描きさんが「そうかなあ」とポツリとつぶやいたひと言がいさめられたように感じられ，50年経った今も鮮明に残っています。