どういうときに内分泌疾患を疑う?

摘要

ホルモンは全身に作用を及ぼすことから,ホルモン異常は全身性の非特異的症状を呈する.そのため内分泌疾患は一般的症候や一般 検査値異常,糖尿病，高血圧,骨粗鬆症などのコモンディジーズのなかに潜んでいる可能性がある.しかし内分泌疾患の多くは稀少疾患であるため,症例経験が豊富な内科医は少なく,一般診療で内分泌疾患を想起することは難しい.さらに,内分泌疾患を疑った際のホルモン検査の選択，検査結果や負荷試験の解釈は難解である.どのようにスクリーニングを行い,どのような結果であれば専門医に紹介すべきか悩む場面が多いと思われる.本稿では一般的症候や検査値異常から想起する内分泌疾患を表にまとめ，どういうときに内分泌疾患を疑うべきかについて簡潔に解説する.