ローテクでもここまでできる!おなかのフィジカル診断塾?おなかが膨満しているその9腎動脈狭窄症のフィジカル-非消化器疾患でも常におなかのフィジカルにこだわるべし!

摘要

聴診にフォーカスしたフィジカルはこれま でにも何度か紹介してきましたが,今回は脳 梗塞で入院した患者さんに（偶然）発見したお腹のフィジカルをご紹介します.腹部症状 がなくとも,患者さんの身体に聴診器を当て て,音を探ってみてください.主訴右上下肢の麻痺現病歴 生来健康.ガス関係の営業職に従事しており,普段から車の運転が多い.来院3日 前,起床後から右上下肢の麻痺を自覚.近医を受診し,頭部MRIで左放線冠梗塞を認め,加 療目的に当院脳神経外科を紹介受診した.既往歴なし常用薬なしアレルギーなし嗜好品 喫煙20本/日を38年間,飲酒:ビール500 mLと焼酎水割り2杯入院時所見（脳神経外科医カルテ転記）右半身の不全麻痺，把握困難血液所見 BUN 14 mg/dL, Cre 0.95 mg/dL, eGFR 64 mL/分/1.73 m~2, LDL-C 153 mg/ dL, HDL-C 50 mg/dL, TG 121 mg/dL,血糖 118 mg/dL, HbA1 c 5.6% 尿所見 尿蛋白陰性,尿糖 陰性,尿アルブミン6.4 mg/g , Cre.この患者さんは,脳梗塞?脂質異常症の診 断で脳外科入院となり,抗血小板薬が開始さ れました.入院時,私は患者さんと直接の接 点はなかったのですが,入院翌日の夜,当直 中に,件の病棟から"患者さんの血圧が高い ので診てください"とコールがありました.