残響のある環境での音声の到達時間差の推定に関する研究

摘要

近年、ロボット家電の普及や介護現場での見守り機器導入などを背景に、屋内における人間や物体の位置推定に対する需要が高まっている。位置推定には様々な手法があるが、その一つに音声を用いた位置推定法があげられる。かねてより、複数音源のそれぞれの位置推定は、主に音声認識機器やロボットへの搭載など様々な用途で研究されてきた。加えて、昨今のコロナ禍においては、教室や会議室での複数の発話者間の距離測定による感染対策への活用が考えられる。音声を用いる手法は、映像を用いる手法と比べ、プライパシーの問題が小さいことや、処理するデータ量が大幅に少ないことが大きなメリットとして挙げられる。