HIV感染症

摘要

HIV感染者は,HIV感染症と同一の感染経路を有する他の感染症に罹患するリスクがある.不活化ワクチンに絶対的な禁忌はないが,生ワクチンについては禁忌となるものと,一定の条件下で接種可能なものとがある.CD4陽性リンパ球数,HIV-RNA量などの因子が，ワクチンの適応や効果に関連することを考慮する.ヒト免疫不全ウィルス(human immunodeficiency virus : HIV)感染者において,不 活化ワクチンは概ね禁忌とはならない.しか し,対象者のCD4陽性リンパ球数(以下,CD4数)，HIV-RNA量などが，その効果に影 響しうることは念頭に置く必要がある.不活化ワクチン接種後にCD4数減少，HIV-RNA 量増加が報告されているが，概ね数週間以内にベースラインまで回復し,長期的影響はな いと考えられている.