整形外科の開業医の立場から

摘要

整形外科疾患を疑った際の紹介先は開業医?病院勤務医のどちらでも構わないが, 歩行困難?坐位困難な患者の場合は,手術適応の有無にかかわらず病院勤務医への 紹介が適切である.整形外科は専門分野が細分化されているが，整形外科専門医はすべての整形外科疾 患の窓口となるため,紹介に際しては専門分野を気にしなくてもよい.整形外科疾患を疑った際は「この程度の症状で紹介状を書いてよいのか?」という 疑念は持たず,気軽に紹介いただきたい.それはどの分野,どの世界においても共通 して悩まれ,また正確な答えのない問題であ ると言えよう.本特集の最終的なテーマは， 「整形外科疾患を疑った内科医はいったいど こまでの診断力を要求されるか?」であろう か.本特集を読み終えた読者諸氏がそれぞれ 判断することになると思われるが，知識や経 験に個人差があるように，結論にも個人差が あると考えられる（筆者の個人的な意見とし ては，内科医は整形外科疾患であると“感じ” たら，それで十分その診断力を果たせている と考えている）.