浸漬ノズル吐出孔形状がノズル内外の溶鋼流動に及ぼす影響

摘要

浸漬ノズルは連続鋳造でモールド内溶鋼流動制御の役割を持ち，鋳片品質に影響する。吐出孔から出た溶鋼流はモールド短辺と衝突し上下方向に分岐する。ここで上昇流が速いと海面変動増大によりパウダースラグを巻き込むことがあり，下降流が速いとArガスや鋼中介在物が浮上せずに凝固シェルでトラップされることがあり問題となる。従来，スループットが大きい場合の溶鋼流動抑制には吐出孔サイズ拡大や吐出孔角度の調整を行ってきたが，湯面の安定化と短辺下降流速の低減を同時に達成するのは困難であった。本研究では痩漬ノズルの吐出孔形状（吐出孔鉛直寸法，吐出孔下側角度）を変化させた際にモールド内流動がどのように変化するかを数値流体計算および水モデルで検討した。一般的な矩形下向き吐出孔をベースに鉛直寸法縮小·下側角度上向きに変更した吐出孔で，メニスカス流速と短辺近傍下降流通が共に低減し，鋳片欠陥低減が期待できる流動となった。