エッセィ：ランドスケープ?アーバニストからランドスケーピストへ：フランスのランドスケープ·アーバニズムに関する覚書チャールズ·ウォルドハイム

摘要

このたびの「ランドスケープ?アーバニズム」フランス篇は、長らく待ち望まれた特集である。英語ではランドスケープ?アーバニズムをめぐる言説が1990年代後期から2000年代初頭にかけて現れたものの、その際にフランスの功績に触れることは皆無に等しかった。ランドスケープ?アーバニズムの概念が最初に打ち出されたのが、米国?英国?オーストラリアの学術界およびデザイン界においてであり、これにはオランダとスペインのデザイナーが大きくかかわつている。シカゴのグラハム財団が1997年に開催した第1回ランドスケープ?アーバニズム会議には、米国?カナダ'英国?オランダ?スペインから計10名あまりの登壇者が集つたが、フランスからは一人も参加していない。同年に全米各地を巡回したランドスケープ?アーバニズムの作品展には、この5力国から計30組あまりのデザイナーが出展するも、ここにもフランス人は含まれていない。にもかかわらず、このテーマを扱う教育課程や英語文献には当初からフランスの思想家とデザイナーの名が挙げられていた。フランス人評論家クリストフ?ジ口とセパステイアン?マロの二人は、この概念の開発に貢献し、さらにフランスの状況を英語圏の聴衆に紹介した。他方ではフランス人デザイナーのアレクサンドル?シュメトフとミシェル?デヴィーニュがいち早く、ランドスケープ?アーバニズムの事例を国外の聴衆に示した。