31.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫治療1年後に成人T細胞性白血病リンパ腫を発症した1例

摘要

【症例】76歳，男性。【主訴】倦怠感。【家族歴】血液疾患なし。【現病歴】X-2年5月頃に右頸部リンパ節腫脹を自覚し,徐々に増大するためX—1年1月下旬に近医を受診され悪性リンパ腫の疑いで当院に紹介となった。抗HTLV-1抗体陽性，sIL-2R 4,411U/mlと高値で,リンパ節生検では中型から大型の異形細胞を認め,フローサイトメトリーでCD20陽性，CD3?CD10?CD23陰性で免疫染色でも同様の結果だった。以上よりびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL) stageIIAと診断し,R-CHOP療法を計6コース施行後，完全寛解となり外来経過観察中であった。X年7月頃に軽度倦怠感を自覚され,定期受診時の血液検査でLDH 463 U/l, sIL-2R 12,786U/mlと高値であり,白血球13,700/μl,flower cell様の異常リンパ球を65%認めたため,再発疑いで入院となった。