小名浜製鍊所 第1硫酸プラントの最近の設備更新について

摘要

小名浜製鍊(株)小名浜製鍊所は1965年に操業を開始し，2007年に銅鉱石増処理とリサイクル事業の増強を目的として三菱連続製銅法のS炉を導入し，現在は図1に示す操業フローとなっている.主要設備能力は，銅鉱石処理60,000T/月，電気銅製造25,000T/月，形銅製造8,000T/月，硫酸製造55,400T/月，石膏製造28,000T/月である.硫酸プラントのガスフローを図2に示す.第1硫酸プラントと第3硫酸プラントがあり，両プラントでS炉および転炉の排ガスを吸引し，ガス中のSO2を硫酸および石膏として回収している.第1硫酸プラント乾燥塔は，1965年の設置当初から継続して使用してきたが，経年劣化により近年では塔底と塔側壁の付根からの液漏れトラブルが頻発していた.本報では，第1硫酸プラントの乾燥塔更新に至る経緯，設計思想および更新後の性能確認につい て報告する.