イリオポリ?アバートメント

摘要

アテネのイリオポリ地区にある56m~2の未完成の半地下空間が小さなアパートメントに生まれかわった。日当たリが悪く光が片側からしか入らないため、この空間は洞窟のような不思議な雰囲気をもっていた。日陰が多く、涼しく、風通しがよいことは、暑いアテネの気候においては貴重な特性である。体験面でも性能面でも、各特性を維持強化することが改修の目的であった。既存要素-スティール?サッシの窓やドア、柱?梁?天井の未仕上げのコンクリート面など-は保持された。既存の小さなトイレにシャワー?スぺースを追加、不釣り合いなほど大きな玄関エリアを設けることで、内外の行き来という儀式性を強調した。こうして自然石やつくりつけの植木鉢が置かれた庭との連続性をつくリだした。室内空間の狭さを緩和するため、内壁を設けずに家具や機能を戦略的に配置することによって、距離をつくリだし、ゆっくリとした時間をもたらす複雑な動線が計画された。スライド式間仕切り、カーテン、吊り棚などの視覚?空間的フィルターや、光を反射拡散する暖色、ディテール、自然な質感などを用い、奥行きの錯覚と、小さいながらも豊かに階層化された環境がつくリだされた。