晩秋肥の施用と 土づくりについて

摘要

晩秋肥は、成り疲れによる樹勢の回復、②耐 寒性の増強（ここまではお礼肥としての役割）、 ③翌春の新梢や開花のための貯蔵養分の蓄積(基 肥のような役割）など、多くの役割を担っています。隔年結果を防止し、毎年安定して生産するた めには、晩秋肥の施用をしつかり行ってくださ い。また、園地土壌の酸性化や保肥力の低下を改 善するため、冬場の土づくりにも努めましょう。今年、表作の樹相となっている園地では、着果 による樹体内養分の消耗が大きいと考えられる ため、速やかに樹勢を回復させて、翌年の着花と 結実の安定を図ることが大切です。また、樹勢低 下は耐寒性の低下にもつながります。気象庁の 寒候期予報によると、今冬は気温が低い確率が高いため、寒波に備えて、耐寒性を高めることが 肝要です。先に述べたように、お礼肥の役割を持 つ晩秋肥の施用が、これらの対策として効果的 ですので、必ず施用するととちに、固形肥料の土 壌施用より効果の発現が早い葉面散布も、適宜 実施しましょう。