ディジタル通信への影響を考慮した妨害波の評価法(3)

摘要

ディジタル無線通信の通信品質劣化に相関を持つ測定値を与える妨害波測定法として，妨害波包絡線の振幅確率分布(APD, Amplitude Probability Distribution)測定が提案されている．本稿では最初に，被干渉無線通信システムが直接拡散(DS－SS，Direct Sequence Spectrum Spread)システムの場合について，APD測定値と通信品質劣化(BER, Bit Error Rate)特性の関係式を，スペクトラム拡散の拡散率を考慮した形へと拡張する．更に，被干渉無線通信システムを，非スペクトラム拡散システムであるPHS (Personal Handyphone System)及び直接拡散のスペクトラム拡散システムであるW－CDMA (Wideband Code Division Multiple Access)とし，送信信号に繰り返しパルス妨害波を付加した干渉実験においてAPD測定値からBER特性の推定を行い，APD測定値とBER特性の関係式に対する実験的検証を与える．また，以上の結果を元に，APD測定による妨害波許容値の決定法の一考察を示す．