マイクロバブルテスト

摘要

奇異性脳塞栓症の二次予防を目的とした卵円孔開存(PFO)に対するカテーテル 治療の有効性が示され,PFOの診断の重要性が増してきている.PFOの検出には,質の高いバブル作成と十分なValsalva負荷を用いた経胸壁心 エコー図検査によるマイクロバブルテストが重要である.現在,卵円孔開存(patent foramen ovale : PFO)が循環器内科の領域において注目され ている.その背景には三つの臨床試験 (RESPECT 試験,CLOSE 試験,REDUCE 試 験)においてPFOを有する潜因性脳梗塞の再 発予防に経皮的PFO閉鎖術の有効性と安全 性が示され,PFOに対する治療戦略が大きく 変化したことが影響していると考えられる. 国内の「脳卒中診療ガイドライン2021」にお いても奇異性塞栓症の項目に改訂が行われ， 60歳未満においてPFOの関与が疑われる潜 因性脳梗塞に対して経皮的PFO閉鎖術は妥 当とされ，とくに再発リスクの高いハイリス クPFOを有する場合，高い推奨度とエビデ ンスレベルで勧められるようになった.そこで，今回PFOを正確に評価すべくマ イクロバブルテストの適応や評価方法，実際 にエコーを行う際の工夫を経胸壁心エコー図 検査を中心に紹介する.