敗血症は「感染症により重篤な臓器障害が引き起こされている状態」である.敗血症の診断には呼吸数を含めたバイタルサインの確認が必要不可欠である.現行の本邦のガイドラインに加え,2021年10月に新しく公表された世界的な敗血症ガイドラインの内容も踏まえて,敗血症の診断や初療を行う.敗血症の定義:かって敗血症は「感染に起因する全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome : SIRS)」と考えられ,そのうち臓器障害を伴うものを重症敗血症,ショックを伴うものを敗血症性ショックとしていた.2016年2 月に公表された敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義第3版(The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock : Sepsis-3)以降,敗血症は「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義され,それまで重症敗血症とされていたものが敗血症となり,重症敗血症という概念はなくなった.
展开▼