5年前から徐々に進む上下斜視の1例

摘要

患者：76歳，女性.主訴：上下複視.既往歴.家族歴：特記事項なし.全身所見：特記事項なし.現病歴：5年前から上下複視を自覚していたが，徐々に悪化してきたため眼科を受診した。複視の自覚については日内変動などの変化は感じていなかった。視力：右（1.2X+2.75 D -cyl -2.50 D100°），左 (1.2 X +2.25 D - cyl-1.00 D 75°)。前眼部所見：両眼白内障.眼底所見：視神経?黄斑に異常なし.斜視検査所見：交代プリズム遮閉試験（alternate prism cover test ： APCT）（完全矯正）は，近見5 DELTAET' 4 DELTARHT'.遠見5 DELTAET 4 DELTARHT, Bielschowsky 頭部傾斜試験は，右傾斜4DELTAET3DELTARHT，左傾斜 4 DELTAET4 DELTARHTであった。眼球運動は，両眼で上 転一1を認めた。チトマスステレオテスト（Titmus stereo test ： TST）は，F ( + )， A (0/3)， C (0/9) であった。